上州路
群馬県内の新町宿から坂本宿までの7宿場が上州路です。実は、私の中山道宿場巡りは倉賀野宿から始まりました。「旧中山道の面影が残るのは倉賀野宿から西の宿場である」との資料を読んだからでした。その後、宿場の順番にかかわらず、行きつ戻りつしながら西へ西へと歩を進めました。
高崎と安中は城下町でもあり、宿場町とはまた違った風情のある町でした。安中宿を過ぎると中山道は、信越本線と並行に妙義山の山麓を碓氷峠へと西に進みます。周囲の山も段々高くなり、すでに関東平野から離れたことが明確になります。坂本宿の東には碓氷関所跡があり、その手前に五料茶屋本陣跡もありました。当時の厳しかった「入り鉄砲に出女」の関所検めなどが偲ばれました。坂本宿から碓氷峠へは中山道の難所と恐れられた裂石坂を「覗き」まで登り、眼下に小さく見える坂本宿を俯瞰しました。現在の峠道はごく普通の登山道になっており、その昔街道であったことが想像も出来ないくらいでした。