近江路

 

 柏原宿から三条大橋までの間の10宿場が近江路です。

 近江路も都市化の影響を避けられず、旧街道の遺構は急速に失われつつあります。しかし、伊吹山の麓、柏原宿に昔ながらの伊吹モグサ商家の街並みがありました。街道沿いには黒やベンガラで彩られた町屋が連なっています。

 琵琶湖盆地の東岸は交通・交易の要衝であり、愛知川、五個荘、近江八幡など多くの近江商人を育んだ町がありました。

 中山道は草津宿で東海道と合流します。草津宿も大津宿も大きな宿場町ですが旧街道の遺構は僅かに残るだけです。草津本陣跡と瀬田の唐橋が往年の姿を留めていたのがせめてもの救いでした。

 終点京都は宿場町とはその趣は全く異なりますが、祇園など旧い町屋街や多くの遺構が現存します。このことは、昔も今も京を目指して中山道を歩く旅の魅力をより大きくしているように思われます。

 なお、中山道の宿場町ではありませんが、かつて中山道を利用し、テンビン棒を担いで物品を商った近江商人の町である五個荘、近江八幡も訪ねてみました。